何時 しかと 君 にと 思 ひし 若菜 をば、 法 の 為 にぞ 今日 は 摘 みつる。
-- 梁塵秘抄 566 --

阿耨多羅三藐三菩提
の
仏達
、
我
が
断
つ
杣
に
冥加
あらせたまへ。
-- 梁塵秘抄 565 --

極楽
は
遙
けき
程
と
聞
きしかど、つとめて
到
る
処
なりけり。
-- 梁塵秘抄 564 --

近江
なる
千
の
松原
千
ながら、
君
に
千年
を
譲
る
譲
るみな
譲
る。
-- 梁塵秘抄 563 --

打立
つる
鉦
の
鼓
の
初声
は、
先
ず
宝主
受納
め
給
べ。
-- 梁塵秘抄 562 --

奥山 に 柴 引 く 音 の 聞 ゆるは、 天稚御子 の 御簾音 ぞよぞよ。
-- 梁塵秘抄 561 --

此
の
巫女
は
様
かる
巫女
よ、
汗衫
に
後
をだにかかいで、
忌々
しうつきうたる、これを
見
たまへ。
-- 梁塵秘抄 560 --

神ならばゆららさららと
降
りたまへ、いかなる神か
物恥
はする。
-- 梁塵秘抄 559 --

夕暮 に 浜 行く 麿 を 海人 かとて、 魚 乞 ふ 主 か 釣 もせぬ 身 を。
-- 梁塵秘抄 557 --

東 には女 は 無 きか 男巫 、さればや 神 の 男 には 憑 く。
-- 梁塵秘抄 556 --

我 をたのめて 来 ぬ 男 、 角 三 つ 生 いたる 鬼 になれ、さて 人 に 疎 まれよ、 霜雪霰 降 る 水田 の 鳥 となれ、さて 足 冷 かれ、 池 の 萍 となりねかし、と 揺 りかう 揺 り 揺 られ 歩 け。
-- 梁塵秘抄 339 --

厳粧
狩場
の
小屋
並
び、
暫
しは立てたれ
閨
の
戸
に、
懲
らしめよ、
宵
の
程
、
昨夜
も
昨夜
も
夜離
しき、
悔過
は
来
りとも、
来
りとも、目に見せそ。
-- 梁塵秘抄 338 --
