法華は諸法にすぐれたり、人の音せぬ所にて、読誦つもればおのづから、普賢薩埵は見えたまふ。
-- 梁塵秘抄 104 --
KOMUSUI ICHIZA KAMISHIBAI
法華は諸法にすぐれたり、人の音せぬ所にて、読誦つもればおのづから、普賢薩埵は見えたまふ。
-- 梁塵秘抄 104 --
法華経八巻(やまき)は一部なり、廿八品いづれをも、須臾の間(あひだ)も聴く人の、仏にならぬは無(な)かりけり。
-- 梁塵秘抄 103 --
静(しづ)かに音(おと)せぬ道場に、仏(ほとけ)に花香(はなかう)奉(たてまつ)り、心を静(しづ)めて暫(しば)らくも、読めばぞ仏は見えたまふ。
-- 梁塵秘抄 102 --
二条高原陸地には、仏性蓮花も咲くかざりき、泥水掘り得て後よりぞ、妙法蓮華は開けたる。
-- 梁塵秘抄 101 --
慈悲の御室(みむろ)に住みながら、忍辱衣を身にかけて、忍辱衣は色深く、慈悲の室(むろ)には風吹かず、諸法空を御座(みざ)として、人には教(をし)へ持(たも)たしむ。
-- 梁塵秘抄 100 --
忍辱(にんにく)衣を身に着れば、戒香(かいかう)涼しく身に匂(にほ)ひ、弘誓瓔珞(やうらく)かけつれば、五智の光ぞ輝ける。
-- 梁塵秘抄 099 --
二千声門の、仏を讃(ほ)むる譬(たとひ)には、昼は甘露(かんろ)の注ぐを見(み)、夜は燈火(ともしび)照るがごと。
-- 梁塵秘抄 097 --
阿難尊者、釈迦の親しき弟子なり、疎(うと)からず、学地に住して年(とし)久(ひ)し、大願ふかきによりてなり。
-- 梁塵秘抄 096 --
阿難尊者(あんなんそうざ)はあはれなり、慈悲の室(むろ)を住処(すみか)にて、忍辱(にんにく)衣(ころも)を身に着つつ、諸法空(く)を御座(みざ)として、人に教へて知らしめよ。
-- 梁塵秘抄 095 --
釈迦の御弟子(みでし)は多(おほ)かれど、仏の従弟(いとこ)は疎(うと)からず、親しきことは誰(たれ)よりも、阿難尊者(あんなんそんざ)ぞおはしおはしける。
-- 梁塵秘抄 094 --