ボーンコレクター 04-07

「タリム盆地でダイヤモンドのう?」と宝石商は虫眼鏡でそのダイヤモンドをしげしげと眺め、「たしかに阿爾金山脈には、先カンブリア期の基盤岩類があり、ダイヤモンドが埋まっている可能性はあるとされているが、さて、お前さん、本当にこれを掘り起こしてきたのか?」と尋ねた。彼が、「掘り起こしたというか、拾ったというか。まあ、そんあところです」と少ししどろもどろに答えると、宝石商は熱心にそのダイヤモンドを覗き込み、「うむ、まあしかし。これはたいそうな上物だ。色は透明だし、クラリティも高い。それに大きさもなかなかのものだ。こちらで綺麗にカットすれば相当な値がつくしろものだ。これは、いうなれば楼蘭の美少女という感じだな」とひとりブツブツつぶやいた後、「よし、百万円で買おう」と封筒をひとつ机の抽斗から取り出して渡した。彼が封筒を持って研究所に帰ると、研究所のすぐ横にまるで遊園地のお化け屋敷のような奇妙な小屋が建てられ、『骨の記憶館』という不思議な看板がかけられていた。事務所に入るとドクロー事務長が封筒をひったくるように奪い取り、札束を丁寧に数えだした。彼はそれを横で覗き込むカヘー専務に尋ねた。「あの小屋は何ですか?」カヘー専務は顔を上げ、「ああ、あれこそダイヤモンドに次ぐプロジェクト、骨のテーマパークだよ」と言った。「ボクも入ってもいいですか?」と彼は尋ねた。「社員割引きで二千円にしておいてやろう」事務長は札束を数える手をとめて、彼の方に手を伸ばした。彼は財布を取り出して、千円札を二枚、事務長に手渡した。事務長は、「まいど」とニヤリと笑い、その二千円を自分のポケットに突っ込んで、再び札束を数え始めた。彼は事務室を出て、骨の記憶館に入った。