ボーンコレクター 04-06
スカル博士は歩きながら、「ダイヤモンドとは地球内部にある炭素が数百万年もの間、高温と高圧にさらされることにより出来る鉱物なんだがね、ワシはそれをこの特製圧力発生装置で造ることに成功したのだよ」と話し非ユークリッド幾何学的な巨大で奇天烈な装置の前に彼らを連れて行った。ベトナムのハン・ガ―・ゲストハウスのようなグネグネとゆがんだ胴体には幾本もの動力パイプが無造作に付けられ、何の用をなすのか分からないでっぱりが、幾本も飛び出ていた。そして装置の真ん中には妙にアンバランスな階段状のものがあり、それを登ると、頂上にはまるで噴火口のような大きな釜の口を中心にいくつもの小さな穴が開いていた。まったく何と形容していいのかわからない奇妙な物体。その上に立って彼は言った。「この真ん中の釜にまずメインの骨を放り込む。続いて周りの小さな穴に溶媒液体やメタンガスのカプセル、塩酸などを入れていく。そしてこのレバーを引くと、なんとわずか一日で、ダイヤモンドが出来るのだ」数百万年もかかる工程を、なんとわずか一日で。彼は目を剥いて驚いたが博士はいたって平然とした顔で、「それくらいの頻度で造らねばこの研究所存続のための費用は捻出できないだろう」とうそぶいた。専務と事務長が装置の下で大きく、「うんうん」と頷いた。その日の午後、彼はスカル博士の求めに応じて楼蘭の美少女を供出した。そして二日後、彼女は大粒のダイヤモンドの原石となった。「宝石商に持っていけ。原産地を聞かれたら、タリム盆地の東部と答えればよい。かつて栄えたシルクロードの都市楼蘭は今の新疆ウイグル自治区のそのあたりになるのだから」事務長はそう言ってダイヤモンドの入った巾着を彼に手渡した。