ボーンコレクター 04-05
「カプセルは試作品で、実際に完成したものは、ほら、このようなものだ」と博士はポケットから小さな三角錐を出して見せた。「先ほど話したテーマパークでは、骨の記憶をより多くの方に楽しんでもらわなくてはならない。しかし、粉をカプセルに入れて飲む方法をとるのであれば、かなりの数のカプセルが必要となり、これは現実的ではない。より多くの人が楽しめる娯楽場を目指すならば、さて、これではひどく効率が悪い」スカル博士はそこまで言って首を横に振り、「そこで考え出したのが、その粉を固めてお香にするという方法なのだ」と続けた。「ねえ、わかるだろう? 骨の粉をお香にして、その煙を吸うという方法をとるなら、ほら、より多くの人がひとつの骨の記憶の中、自由に遊べるようになる。お香の煙を吸った人が誰でも骨の記憶に入れるなんて、なんと画期的な仕組みだと思わないかい」博士の話について行けず、彼をはじめ専務と事務長もポカンとただ聞いていた。博士は構わず話し続けた。「さて、これでお香については分かってもらえたと思うが、次にダイヤモンドそのものの話もしておこう。人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの決定的な違いは天然のダイヤモンドの結晶がすべて八面体であるのに対し、人口では立方体となっているところにある。ところが、魅力的な骨でダイヤモンドを作ると、なんと不思議なことに天然と同様のダイヤモンドが出来るのだよ」滔々と語るスカル博士に三人は面食らいつつも、その言葉を寸毫も聞き洩らさぬよう耳を澄ませた。スカル博士は陳列室の中を檻の中の熊のようにグルグルと歩きながら話した。そして話しながら地下室への階段を降りラボにの中に三人を導いた。彼らは黙って博士のあとについて歩いた。