ボーンコレクター 04-03

 そうして彼が営業のプレッシャーから解放されたすぐあと、「だがしかし、ワシが開発した技術はそれだけではないですぞ」と今度はスカル博士が口を開いた。「ワシは骨からダイヤモンドを作るが、その過程で出る粉から骨の記憶を抽出する技術も生み出した」そして、「この魔法の粉を使えば、人はこれまで経験したことのないような、不思議な世界を彷徨うことができる」と彼にひょいと目を向け、「キミも体験したであろう?」と言った。彼は、「あっ」と目を見張った。そうか、昨日のあのカプセルに入っていたのは骨の記憶であったのか。昨晩の景色は、やはり骨の記憶であったのか。驚く彼の顔を見て博士は満足げに頷いた。そして、「ワシはこの骨骨研究所の一画に骨のテーマパークを作らせてもらう。そしてそこでこの粉を利用して今までにない不思議な世界を、観客に体験してもらうのだ」と三人を見回して不敵に笑った。「ダイヤモンドとテーマパーク」「おお、この二つの柱でお金がザクザク儲かるぞ」専務と事務長は拍手をしながら何度も何度も頷いた。「素晴らしい、素晴らしい話だ」「我々はその二本柱で潤沢な研究資金を調達できる」「ああ、天才科学者スカル博士を雇用したのは間違いではなかった」「よし、ここにある骨の管理権限をすべて博士にゆだねよう」二人は随喜の涙を流して手を握り合って喝采をした。ボーンコレクターは、「はて?」と耳をそばだてた。「骨の管理権限?」その言葉に、彼は言い知れぬ不安を覚えた。そして思わず楼蘭の美少女の方を向いた。途端、博士の目が光った。そしてまるで彼の視線をたどったかのように真っすぐその美少女の骨に近づき、くいっと無造作に持ち上げた。「ああ、何をするんです?」と彼は驚き駆け付けて博士から美少女を取り返そうと手を伸ばした。博士はその手をピシャリと叩き、「次のダイヤモンドは彼女の骨で造りましょう」と言った。