ボーンコレクター 03-08

 かくて、少女は頭から小便をかけられてしまった。そんな馬鹿なと抗議しようにも、彼も老人も、もうまったく聞く耳を持たないので仕方がない。諦めて服を脱いで横になると、老人は自分の顔にぶら下がる一物からじゃあじゃあと遠慮なく放尿した。少女はすっかりびしょ濡れになり、「こんなので本当に生き返るのかしら」と半べそをかいた。出すものを出した老人はさも涼し気な顔をして、「さあ、今度はお前の番じゃ」と彼に言った。そして、「早くお前のその一物を取り出して、小便小僧になるんじゃよ」と醜悪な顔で微笑んだ。「そんな、ボクには無理です」ボーンコレクターは逃げようとした。老人はそんな彼を捕まえてズボンを引きずり降ろそうとした。少女はしばらくポカンとそんな二人の様子を眺めていたが、突然思い立ったように立ち上がり、老人の鼻の部分、すなわち生殖器をつかんで思いきり引っ張って怒鳴った。「やっぱりおかしい。オシッコで人が生き返るなんて、そんな馬鹿なことあるわけないでしょ?」一物を思いきり引っ張られ老人はヒイヒイと泣いた。そして何とか少女を引き離し、「愚か者め。信じる者は救われる、という言葉を知らんのか」と真っ赤になった一物をなでながら言った。その時、彼女の身体を覆っていた褐色の肌がどんどんと透け始めた。「あれ、私は骨に戻るの」と少女は自分の手を見てつぶやいた。ボーンコレクターも、「ああ」と驚きの表情で言った。アーカイブが消える。それは最初から存在しない残り香のようなものであったのだから、仕方ないけれど、それでもこれはあまりに別れが早すぎる。彼女を抱きしめ涙する彼を、もう半透明になった少女が慰める。「きっと私たちはまた出会えるの。私は運命を信じるわ」