ボーンコレクター 03-03

 死んだ少女は部位ごとに切り分けられて、祭壇の炎で燻されて皆に食べられていった。少女の血はココヤシの樹皮に塗りたくられて、少女の骨はココヤシの根元に埋められた。マヨの力を吸収して強力になった少女の精はこうして村人と木々に分配されるのが古くからの習わしで、村人は少女の力を得て、今年も元気に生きるであろう。果実も少女の力を得て、今年も豊かに実るであろう。こうしてすべての儀式が終わり、村人は皆、村へと帰った。非日常から日常への帰還。ハレからケへの帰還。祭りの日々から現実の日々への帰還。そうしてしばらく経ったのち、「ああ、キミはこうして死んだんだね?」とボーンコレクターはココヤシの上、小指にそっとささやいたのち、ゆっくりと地面に降り立った。そして、「キミを生き返らせてあげる」とつぶやくと少女の骨を掘り出して丁寧に組み上げた。骨格は風に吹かれてユラユラと揺れ、やがてあの可憐な少女の姿に戻った。ポリネシアンの特有の果実の香りが彼の鼻ををくすぐった。彼は思わず彼女の腕を握りしめた。「キミは生き返ったのかい?」少女は首を横に振る。「いいえ。これは地球の記憶のアーカイブ。一時的な現象で、時間が過ぎたらなくなる身体」彼は少女の腕をさすり、小さな胸のふくらみをなで、乳房をくりくりとつまんだ。そして手を下半身に回しお尻の割れ目を愛撫してから、太もも間に指を入れた。「こんなにも柔らかで本物そっくりだというのに、これが地球の記憶だっていうのかい?」少女は腰をくねらせながら言った。「そうなの。この感覚もすべて現実ではなくてただの記憶。私はもうすぐ消えるだけ」そして彼の耳元で、「ああ」と小さく吐息をついた。