ボーンコレクター 03-02

 ふと気が付くと、そこは再び鬱蒼とした密林となり、この前に会った時のまま裸の少女が立っていた。「やあ、また会えたね」とボーンコレクターは彼女を見る。丸みを帯びた少女の肢体、胸とお尻が少し膨らみ、下腹部の股の間には産毛のような毛が柔らかそうに生えている。「少し見ない間に、ずいぶん可愛く育ったね」とボーンコレクターは思わず見とれて感嘆した。しかし少女はそれには何の返答もせず、「私、選ばれたんだ」と少し悲しげに微笑んだ。「選ばれたって、何に?」と彼は聞いた。「マヨの娘」と少女は答えた。そしてふいっと横を向き、「それは、藪の暗闇へと溶けてゆく娘」と言った。ドストエフスキーが『罪と罰』に書いたように、ひとりの少女が堕ちることで大多数の少女の純血は守られる、ということはあるのであろう。それと同じ。ひとりの少女が生贄となることで大多数の人々の平和が守られる。そんなこともあるのである。そしてそのひとりの少女に、彼女は選ばれた。皆のために犠牲となる少女、皆のために生贄となる少女。「そうなの。もうすぐマヨの母が来るよ。それは殺害者としての父で、私はその母に殺されるんだ」マヨの儀式の締めくくり。マヨの母は少女をひとり選びだし、暗い藪へと連れてゆく。「私はハレルヱレであり、私はオホゲツヒメでもある。つまり殺されるための存在」祭祀の武器を持つマヨの母。非接触の戒は破られる。マヨの母は殺害者としての父となり、マヨの娘を犯す。父の行為が終了すると、次いで受戒者の少年たちが代わる代わるに少女に抱きつきその体内に侵入する。そうしてすべての少年がすませると儀式の終焉。マヨの母は祭祀の武器で少女の首を叩き折り、最高潮に達した興奮の中、少女は横たわる。