アングラ劇『犬神ぢごく変』 09-03

村長「犬神をぶつける?」
巫女「そうじゃ。目には目を、歯には歯を。犬神には犬神じゃ」
村長「犬神には犬神のう」
老女「さあ、しかし。そのぶつける犬神はいったいどこから連れてくるおつもりじゃ?」
巫女「連れてくるのではない。生み出すのだ」
村長「生み出すというと?」
巫女「犬神を生み出すには犬神を生み出す儀式がある。それをおこなえばよい。さて、そこでじゃ。この村で一番大きくて立派な犬はどこの犬だ?」
老女「そりゃあ何と言ったって伏姫が可愛がっている八房じゃろう」
村長「そうじゃなあ。毛はふわふわして逞しい。八房がこの界隈で一番立派な犬じゃろうのう」
巫女「ではその八房に犬神となってもらう事としよう」