01魔界研究部 07
「それでは具体的に、我が校の七不思議をあげましょう。そのまず第一は『首切山の生首』。この学校の裏山はかつて城山と呼ばれ大きな山城があったのですが、戦国時代に攻め落とされて城主は首を刎ねられた。するとどういった拍子か、その首がコロコロと山から転げ落ちて、散歩する首となったというものです。二つ目は『滑坂の銀仮面』。この学校は山の斜面に建っているため坂が多くあるけれど、その中の一番さみしい坂は滑坂と呼ばれ、そこに銀色の顔をした謎の人物が住んでいるといいうものです。そして滑坂の名前の由来はこの銀仮面が生徒の皮をはいで、それをなめして木につるしたことからきているとのことです。三つ目は『若宮の牙天神』。ここらあたりから校内に存在すること自体が不思議なもので、これは丑寅の方角に建つ奇妙な社です。社には天神様が祀られていますが、その天神様には牙があり、生徒をさらって茹でて食べるとのことです。社の前に時々人骨が捨てられているそうです。四つ目は『幽姫の古墳』。これも校内に古墳があるというだけで、かなり不思議です。五つ目は『臓器の回廊』。この学校の校舎は、実は巨大な妖怪で、階段や廊下はその妖怪の内臓なのです。夜に下手に校舎に入ると内臓は活動を始め、廊下は永遠に生長し、終わらない迷路が出現するのです。六つ目は『開かずの雪隠』。これはかつて理科実験室の裏手にあった木造のトイレで、普段は絶対開かないが、もし開いた時に近寄ると吸い込まれて、永久に出られなくなるというものです。そして最後が『死霊の門』」部長はそこで一旦言葉を切り、一同を見回した。