ボーンコレクター 02-09

 土の一族は地面の下に暮らしていたので目が退化していた。土の姫ももちろん盲目であったが、そこに目の開いた奴隷が来て彼女をからかった。そして姫を地上の世界に引きずり出してしまった。姫は道に迷って森をさまよい、そこで一匹の熊と出会った。熊は姫に結婚を申し込み、彼女の目を見えるようにしてやった。姫は熊の優しさに感謝したが結婚は拒んだ。熊は恋に苦しんで、何度も結婚を申し込んだすえ、とうとう姫が眠りについたところを襲ってキスをしてしまった。姫は驚いて目覚めたがすでに手遅れで、姫の顔から胸にかけての一帯に熊のような毛が生えてしまった。姫は泣く泣く舟に乗ったが、すると舟はするすると川に流れだし、熊の森から離れていった。そしてそのまま川を流れて洞窟へと入って行った。洞窟の中にはコモグワがいた。コモグワは姫を哀れに思い、髭を取り去ってくれた。そして美しくなった姫と結婚し、四人の子供をもうけた。その子供の一人がやがて大きくなって地底に帰ることとなった。コモグワは若者を地底に連れて行き「妻をめとらせよう」と言った。若者が待っていると小さな穴から赤ん坊と尿のいっぱい入った尿便が下ろされてきた。若者はからかわれたと怒ってその尿を赤ん坊に降りかけた。赤ん坊はたちまち絶世の美女に育ち、若者と結婚した。コモグワは二人の婚礼のお祝いにカナダトナカイの毛皮と貴重な銅と、御馳走をたんまり乗せた儀式用のお皿を用意して、地底に送った。土の一族はこの若者を王に迎え、裕福に暮らすことができた。そしてコモグワは土の一族からの返礼品として皆の両方の目をもらった。