第二二四段 陰陽師有宗入道

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 陰陽師有宗入道、鎌倉より上りて、尋ねまうで来りしが、先づさして入りて、「この庭のいたづらに広きこと、あさましく、あるべからぬ事なり。道を知る者は、植うる事を務む。細道一つ残して、皆、畠に作り給へ」と諫め侍りき。

 まことに、少しの地をもいたづらに置かんことは、益なき事なり。食ふ物・薬種など植ゑ置くべし。

-- 徒然草 224 --