第二一四段 想夫恋といふ楽は

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 想夫恋といふ楽は、女、男を恋ふる故の名にはあらず、本は相府蓮、文字の通へるなり。晋の王倹、大臣として、家に蓮を植ゑて愛せし時の楽なり。これより、大臣を蓮府といふ。

 廻忽も廻鶻なり。廻鶻国とて、夷のこはき国あり。その夷、漢に伏して後に、来りて、己れが国の楽を奏せしなり。

-- 徒然草 214 --