第百七十四段 小鷹によき犬

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 小鷹によき犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹にわろくなるといふ。大に附き小を捨つる理、まことにしかなり。人事多かる中に、道を楽しぶより気味深きはなし。これ、実の大事なり。一度、道を聞きて、これに志さん人、いづれのわざか廃れざらん、何事をか営まん。愚かなる人といふとも、賢き犬の心に劣らんや。

-- 徒然草 174 --