第九十四段 常磐井相国

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常磐井相国、出仕し給ひけるに、勅書を持ちたる北面あひ奉りて、馬より下りたりけるを、相国、後に「北面某は、勅書を持ちながら下馬し侍りし者なり。かほどの者、いかでか、君に仕うまつり候ふべき」と申されければ、北面を放たれにけり。勅書を、馬の上ながら、捧げて見せ奉るべし、下るべからずとぞ。

-- 徒然草 094 --

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