第七十段 元応の清暑堂の御遊に

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

元応の清暑堂の御遊に、玄上は失せにし比、菊亭大臣、牧馬を弾じ給ひけるに、座に着きて、先づ柱を探られたりければ、一つ落ちにけり。御懐にそくひを持ち給ひたるにて付けられにければ、神供の参る程によく干て、事故なかりけり。

いかなる意趣かありけん、物見ける衣被の、寄りて、放ちて、もとのやうに置きたりけるとぞ。

-- 徒然草 070 --

IMG_3263.jpg