不幸に憂に沈める人の、頭おろしなどふつつかに思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに、門さしこめて、待つこともなく明し暮したる、さるかたにあらまほし。顕基中納言の言ひけん、配所の月、罪なくて見ん事、さも覚えぬべし。
-- 徒然草 005 --
KOMUSUI ICHIZA KAMISHIBAI
不幸に憂に沈める人の、頭おろしなどふつつかに思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに、門さしこめて、待つこともなく明し暮したる、さるかたにあらまほし。顕基中納言の言ひけん、配所の月、罪なくて見ん事、さも覚えぬべし。
-- 徒然草 005 --