冬来(ふゆく)とも柞(ははそ)の紅葉(もみぢ)な散(ち)りそよ、散(ち)りそよ勿(な)散(ち)りそ色(いろ)変(か)へで見(み)ん。
-- 梁塵秘抄 454 --
KOMUSUI ICHIZA KAMISHIBAI
冬来(ふゆく)とも柞(ははそ)の紅葉(もみぢ)な散(ち)りそよ、散(ち)りそよ勿(な)散(ち)りそ色(いろ)変(か)へで見(み)ん。
-- 梁塵秘抄 454 --
東(ひんがし)やかうせんの山(やま)になるなる花橘(はなたちばな)を、八房(やふさ)總(ふさ)ねて手に採ると夢に見つ。
-- 梁塵秘抄 453 --
垣越(かきごし)に見(み)れども飽(あ)かぬ撫子(なでしこ)を、根(ね)ながら葉(は)ながら風(かぜ)の吹(ふ)きもこせかし。
-- 梁塵秘抄 452 --
春(はる)の野(の)に小屋(こや)かいたる様(やう)にてつい立(た)てる鉤蕨(かぎわらび)、忍(しの)びて立(た)てれ下衆(げす)に採(と)らるな。
-- 梁塵秘抄 451 --
月は船(ふね)星は白波(しらなみ)雲は海、如何(いか)に漕ぐらん桂男(かつらをとこ)は唯一人(ただひとり)して。
-- 梁塵秘抄 450 --
月も月(つき)立(た)つ月毎(つきごと)に若(わか)きかな、つくづく老(をい)をする我(わ)が身(み)何(なに)なるらむ。
-- 梁塵秘抄 449 --
神垣(かみがき)や御室(みむろ)のやまの榊葉(さかきば)は、神の御前(おまへ)に茂(しげ)りあひにけり。
-- 梁塵秘抄 448 --
ちはやぶる神神(かみがみ)に座(まし)ますものならば、あはれと思(おぼ)し召(め)せ、神(かみ)も昔(むかし)は人ぞかし。
-- 梁塵秘抄 447 --
幣束(みてぐち)は散(ち)るかと見(み)れば住吉(すみよし)の、松(まつ)などの木間(こま)より漏(も)らん月をば、や、如何(いかが)せんずる。
-- 梁塵秘抄 446 --